北アルプスへ3泊4日の縦走に行ってきました【立山薬師岳黒部五郎岳鷲羽岳水晶岳】
2024年8月10日~13日の4日かけて縦走してきました。
準備から感想など記録しておきます。
準備
UL装備を集め始めて2年くらい経ちました。
現在はベースウェイトが4.4kgで収まっています。
ザック
ZpacksのNero30リットルです。
Sub-Nero Ultra 30L - Frameless UL Backpack | Zpacks
275gで生地はDCFで丈夫かつ軽量です。見た目もかっこよくて気に入っています。
今回はこれプラスHightailDesignsのFanny Packを腰に巻いての山行でした。
Fanny Pack "Lost Gulch Lookout" - by Hannah Beimborn – High Tail Designs
ファニーパックにはiPhoneとGoProを入れてすぐにアプリで現在地確認、写真撮影、GoProで動画撮影して便利でした。
カロリーメイトも一袋なら入るので1度ザックを下したときに、一回分食べてもう一回分はファニーパックに入れるということができました。
寝袋
OMMのMountainlaid233、530gです。
Mountain Raid 233 – OMM JAPAN OFFICIAL
対応温度は0度付近なので夏山には少しオーバースペックでした。
夜はOMMのCoreフーディを着てMountainResearchのOctaPantを履いて寝ました。
Octa Pants – MOUNTAIN RESEARCH
結果夜中は13度くらいまでしか冷えませんでしたので寒くはなかったです。
4月の金剛山ではこれに行動着のTシャツとOMMのレインシェルを着こんでやっと寝れましたが、そこまでではなかったです。
3日目の寝つきが悪かったですが、おそらく3日目で服を水場でジャブジャブと洗って濡れたまま着て寝袋で乾かすという手法をとったため、濡れた服では寝付けなかったのが原因な気がします。
いくら速乾とはいえ濡れた服では寝にくかったと思います。
2日目の太郎平の薬師峠ではかなり斜めの場所しか取れなかったので寝にくい環境でしたが、案外寝れたのでOMMシュラフのおかげかなと思います。
テント
SixmoonDesignsのDeschutesPlustarp、(ディシュツプラスタープ)530gです。
タープですが、内側にメッシュがあるので虫の出入りを防ぎつつ換気が良い優れものです。うまく張るのに慣れが必要でようやく最近慣れ始めました。
ストックを一本必要とし、長さは120㎝が適切ですが、使っているストックは(ヘリテイジ)110㎝なのでテント場にある石で少し調整しています。
ペグはMont-bellのころから使っているステラリッジテントについていたペグ6本(90g)です。
生地がシルナイロンなので濡れると垂れ落ちてきて朝方には顔に生地がつきそうなくらい垂れています。
結露も落ちてくるので少しそこが難点ですが、許容しています。
食料
3泊4日で行動時間が12時間以上ある日もあるのでカロリー計算して9000kcal近く持っていきました。
主にカロリーメイトとカレーメシで、飽きないように甘い系、しょっぱい系と分けてまんべんなく買ったつもりです。
結果的にカロリーメイトが優秀で、カロリーメイトを食べた時は元気が出てガンガン登れました。
パウンドケーキは一つ90kcalでしたが、カロリーの割に力にならなかったように思いました。
スニッカーズはやっぱり溶けて開封する気になりませんでした。
1日目 立山
8月9日(金)の夜から出発し、富山駅の駐車場に夜中3時ごろ到着して仮眠。
富山駅の電鉄富山から始発で立山へ向かいます。
電車とロープウェーを乗り次いで9時ごろには室堂に到着。
そばを食べて出発。
立山は観光客でごった返していました。
山頂までの道は行列ができて自分のペースでは歩けないタイプの登山でした。
1日目は山行時間は4日の中でも一番短く、余裕をもってのんびり歩くつもりでした。
立山を登頂した後は薬師岳へ向かう途中にある五色ヶ原テント場でテント泊です。
五色ヶ原に着く頃はかなり体力を削られヘトヘトでした。
友人のY君下りが得意なので先に行ってしまい、一人でボチボチ下りを歩いていました。
20分待ったといわれながらも五色ヶ原に到着し、テントを立てて一日目は終了。
2日目 薬師岳 TJAR
朝6時半に出発し薬師岳に向かいます。
その先の薬師峠でテント泊です。
しかし、やはり薬師岳はただものではなくかなり難易度の高い登山でした。
この日は山岳レースのTJARが開催されており、同じルートを歩いていました。
この日の深夜0時からレースは始まり、日本海からスタートして首位の土井選手がお昼には薬師岳に来ることでした。
2年前何も知らないころ、たまたまTJARと重なり異様な盛り上がりだったのを覚えています。
あとで調べてみて初めてすごいレースがやっていたとしり、今回は事前にしっかり調べてレースのコースと合わせて予定を組んでくれました。
登りでヒイヒイ言いながら薬師岳を歩いていると後ろから土井さんが来てすごいスピードでサクサク登っていきました。
とても真似できない超人をこの目で見れて良かったです。
山頂に近づくにつれ岩場がかなり歩きにくく、大きい岩がペースを乱してきます。
下りもビクビクしながらおそるおそる進みなんとか薬師岳に着いた頃にはへとへとでした。
15時15分にテント場に着いた頃にはかなりの登山客が集まっており、すでにテントを立てて薬師岳にデポした人などあわせてもうテントを立てるところがありませんでした。
かなり奥まった場所の岩でゴツゴツした地面の斜めの場所にしかなく、寝にくい夜を過ごすことになりました。
この日は18時には就寝23時に起床で3日目の1時に出発です。
カレーメシを食べてすぐ寝ました。普通に寝るだけで滑り落ちそうなくらいの傾斜でしたが、なんとか数時間は寝れたので体を休めたことにして3日目に備えました。
3日目 黒部五郎岳 鷲羽岳 水晶岳
2日目の倍近く歩く計画。
この間になかなかちょうど良い山小屋がないので仕方なくこのような偏りのある計画になりました。
2年前は薬師岳を登った後このルートで三俣山荘まで行く予定でしたが、体力不足で断念したのでした。
2年前の記録動画↓
今年こそリベンジというテーマがあったので気合十分で臨みました。
深夜1時に薬師峠を出発し満天の星空の下をひたすら歩きました。
この時も何人かTJARの選手に抜かされてすげえなあと言いながら歩いていました。
準備も万端なので1時間に一回のペースで補給をこころがけていました。
ウエストポーチにしたFannyPackに入れてあるカロリーメイトを食べつつひたすら歩きました。
登りも下りも何度もあり、朝日が昇るころには黒部五郎岳に到着していました。
朝の感じがとてもキレイでした。
晴れの登山は気持ちが良いです。ほんとうに晴れてよかった。
またここで半分も行っていないのでこのまま進み、黒部五郎小屋も素通りです。
Y君は百名山バッチを買うといって小屋に寄っていました。
三俣山荘には9時40分くらいに到着し、テントを立てたり休憩したりして10時半に再び出発。
この時点でかなり疲労がたまっており、このまま寝たいくらいでした。
もし歩けないくらいになっていたらここで寝て最終日は下山だけで今回も失敗パターンも考えていましたが、なんとか奮起し荷物を軽くして出発。
行くまでは3日目の山行予定が厳しすぎるのでかなりビビってました。
実際かなりきつかったですが、せっかく来たということでなんとか鷲羽、水晶岳を登頂しに行きました。
途中、僕はハイになりY君を引き離して一人で黙々と登るシーンがありました。
腹式呼吸を心がけてひたすら心を無にして一定のペースで登ることを肺に酸素を送り込む音ゲーみたいだと気づき楽しくなっていました。
ヤマレコの山行スピードのペースも0.6倍くらいだったと思います。
鷲羽岳はテント場から見えていたので案外すぐ登頂できましたが、そこからの水晶岳が本当に長く感じました。
しかも間にワリモ岳とかいう山もあり、登って下ってを繰り返したあとの水晶岳でした。
岩場も多く、鎖やロープを駆使しながらなんとか登頂。
感慨深いものがありました。
山頂はほぼ岩で囲まれており、休憩できるほどのスペースはなく、動画を撮ってすぐ下山しました。
この後のルートもなかなか辛いもので、ほぼ瀕死の体力で来た道を引き返すという地獄。
脚の限界が来てスピードも出せずによちよち三俣山荘まで下山しました。
特に行きの鷲羽岳は無心で楽しく登って気づきませんでしたが、帰りは何も面白くない単調な下山ルートで永遠にあるかと思いました。
下りが得意なY君もペースが落ちてゆっくりの下山で三俣山荘に到着したのは16時半でした。
予定よりも2時間くらい遅かったですが、暗くなる前に到着してるし大幅なマイナスではないと見ておおむね成功でしょう。
満身創痍でテント場に着き、水場で体を拭いたり服を洗ったりしてすぐにカレーメシを食べて寝ました。
18時には寝たかったのですが、テント場ではTJARの話でもちきりで周りの登山客の方がいつまでも盛り上がっていたのを覚えています。ずっと隣から会話が聞こえてきます。
洗った服を着て寝苦しいものありましたが、なかなか寝付けなかったです。
この日も23時に起床し、1時に出発です。
4日目 槍ヶ岳 上高地
4日目は下山日です。
4日間の工程で一番歩く距離が長い日です。
登りは最初の槍ヶ岳までのみで槍ヶ岳を下山するとあとは上高地までの道路をひたすら歩くコースです。
夜出発の槍ヶ岳までは4日目で疲労もかなり来ていましたが、なんとかカロリーメイトパワーでほぼ予定タイム通り進めました。
槍ヶ岳は5年前に一度登頂しているのでスルー。行列ができていたし早く帰りたいし曇っていました。
過去記事はこちら
今回もこの時と同じルートで下山します。
5年前の記事読んでて思いましたが、かなり歩く距離が伸びたなあと成長を感じられます。
やっぱり記事にして残しておくことは大事だと思いました。
5年前にも撮った場所で再びポーズ。
この後、ひたすら下りで膝が終わりを迎えます。
それでもなんとか予定タイムより早めを維持して下山。
無心で歩き続け、写真も動画も撮る元気もなくなるのは下山あるあるです。
平坦を軽くジョギングするくらいにはなりましたが、徳沢ロッジでY君の緊急トイレイベントが発生したため、巻いたタイムは溶けていきました。
徳沢ロッヂはなぜか観光客が大量に沸いており、さらに疲労を増幅させました。
上高地バスターミナルがゴールですが、ここに行くまでの道も果てしなく長く人も多いので虚無でした。
4日間歩き続けた者が来ていい場所ではありません。
カップルが手をつないで歩いていたり、超薄着のイケイケ外国人が大声で話していたり。子供連れの家族が楽しそうに買い物したり。
パンパンのザックにヘルメットを着けて歩いているのを見られて笑われているような気さえしました。
疲れ果てて虚無のまま1時間ほど歩いてなんとかバスターミナルに到着。
さわんど駐車場行きのバスの行列にドン引きしながら平湯温泉行のバスに乗り、平湯温泉から高山までバスを乗り継いで、最後電車で富山駅まで戻りました。
4日歩いた距離を交通機関で戻るので富山に着くのは夜の20時ごろになっていました。
近くのスーパー銭湯に行き、4日ぶりのお風呂と下界の飯を食らって4日目終了です。
総評
今回の主テーマは鷲羽、水晶リベンジ登山でした。
なんとか成功できて本当に良かったです。
裏テーマとしてTJARの観戦もありました。首位で薬師岳を通過した土井さんを生で見れて良かったです。
また秋くらいにNHKで特番が放送されると思うので楽しみです。カメラさんやTJARのスタッフもたくさんすれ違いました。撮影用のドローンも飛んでました。
さらに裏テーマ2として次にOMMの本選に出るための準備として地図とコンパスを持って行っていました。立山では余裕があったので地図読みの練習をしていましたが、後半になるにつれて飽きてスマホのGPSで読んでいました。そんな余裕はないしどうでもよくなってました。
でもかなりOMM本選、不安です。地図読まないと話にならないのでスマホとスマートウォッチに頼っているようではだめです。
スマートウォッチは今年の6月下旬にAppleWatchからGARMINに乗り換えて今シーズン登山はGARMINを使用してみました。
結果、あまり恩恵を感じることができませんでした。
AppleWatchのほうが長く使っていたというのもあるかもしれませんが、AppleWatchに戻そうかなと思い始めています。
比較記事は前回書いたので詳しくはこちら
2年間目標にしていた鷲羽水晶をやっとクリアできてうれしさのあまり動画もブログも更新してしまいました。
UL装備、ダイヤモンドトレイルなどたくさん準備してきて良かったです。